今日はどんな風が吹くのだろう。 日々の思いを書き留める雑文帳。

by 風懐

天神さん

 東西で言えば大阪城から北浜の三越あたり、南北で言えば中央大通りから大川あたり。それが私の子供時代のテリトリーでした。
 お正月の買い物は、川を超えた日本で一番長い商店街・天神橋筋商店街にある江戸時代から続く天満の市場へ行き、初詣は「天神さん」と決まっていました。

 学問の神様「天神さん」には毎年のように初詣に行きましたが、その甲斐なくアカデミックとは無縁の世界に生きています。
 神様にお願いするだけでは成就しない典型のようですが、いやいやお参りをしなければ「この程度」にもならなかったのだろうと想像すると、霊験あらたかにも思えてきます。

 子供時代、天神さん(天神祭)が近づくと、周囲の何となく浮足立った雰囲気に乗せられて私もわくわくしたものです。
 仕事を終えた両親と出掛けるお祭りは、私を非日常の世界へと連れていってくれました。
 金魚すくいや射的、綿菓子にたこ焼き、魅力たっぷりの屋台が途切れることなく続きます。モーターの音と威勢のいいお兄さんの声。浴衣姿のお姉さんたち。
 ディズニーランドも知らなかった時代には、それだけで充分に華やかな世界でした。

 橋の上から見る船は、また幻想的でした。
 「あの船に乗りたい」と言うと、公害が社会問題となっていた時代のことです。
「川の水は汚い」と、父に一蹴されました。
 本当は、あの船に乗るのはとても難しいことだったと後にわかりました。「奉拝船」と呼ばれる神様をお迎えする船に乗るには、「講」と呼ばれる氏子集団に所属しなければならなかったからです。

 天神祭の日、その船に乗ります。
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by h_with_the_wind | 2009-07-24 23:59 | 思い出話 | Comments(0)