不毛地帯再び…

 今、なぜ再び「不毛地帯」なのでしょう。
 フジテレビ開局50周年の記念ドラマ「不毛地帯」が、今月から半年の予定で始まりました。

 山崎豊子さん原作の「不毛地帯」は、多分私が両親と3人で見た最後の映画ではないかと思います。草も生えない極寒のシベリアで強制労働をする主演の中代達矢さんの演技が壮絶だったことを記憶しています。
 映画は終戦からシベリアでの強制労働を経て第二の人生を歩むひとりの男の姿を描いて終わっていましたが、小説はさらに灼熱の砂漠、もうひとつの不毛地帯が舞台となったのではなかったでしょうか。

 昭和ひとけた産まれの両親にとって、産まれた時から世の中は戦争へと走っていたと言います。その記憶はきっと生涯消えることはないのでしょう。
 学年がひとつ違うだけで戦争に行くかどうかが決まる瀬戸際の世代でした。終戦を満州で迎えた父は、もう少し年長であればシベリアに抑留されていただろうといいます。
 物心ついた時から戦争は身近にあるもので、自分も当然行くものだと覚悟をしていたそうです。ところが、突然の終戦で梯子をはずされたような気持ちになったと言います。価値観がある日突然変わるというのがどういうことなのか私には想像もつきません。父は、そもそもあの戦争は何だったのか、あのまま戦争が続いていたら自分はどんな世界に身を投じていたのかという疑問を小説や歴史書で埋めようとしてきました。

 今、なぜ再び「不毛地帯」なのか、と誰に問うわけでもなく、初回を見て、やはりこれは記憶され語り継がれていくべき歴史なのだとの思いを強くしました。
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by h_with_the_wind | 2009-10-16 23:59 | 社会科 | Comments(0)