毛利氏への旅 三日目

 とものうら、ともの浦、鞆の浦…。
 鞆の浦という地名を聞いてピンとくる人、どこかで聞いたことがあるぞという人、多いのではないでしょうか。
 で、どこで「ああ」と頷くかというと、これは人さまざまではないかと思います。

 この路地の向こう側にどんな風景を想像されるでしょう。

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 古典に造詣の深い人は、
「鞆の浦の磯のむろの木見むごとに 相見し妹は忘らえめやも」という万葉集の大伴家持旅人の歌を思うでしょう。

 中世の日本史が好きな人は、南北朝の「鞆合戦」を連想するかもしれません。
 戦国時代には、毛利氏が「鞆要害」を築き拠点のひとつとしました。その後、福島正則がこの地に築城しようとして徳川家康の逆鱗に触れ、工事は中止されました。

 今、NHKの大河ドラマ「龍馬伝」では、坂本龍馬が脱藩したばかりです。
 黒船を間近に見て、いつか乗りたい、と夢にみた坂本龍馬が初めて手に入れた「いろは丸」を事故で失ってこの港に避難しました。
 同じ時代、京都を追われたいわゆる「七京落ち」の勤皇攘夷の三条実美らは、長州を目指す途中、この地の商家に匿われたといいます。

 社会問題に関心のある人は、鞆の浦埋立て架橋計画問題を思うかもしれません。

 また最近では宮崎駿監督が「崖の上のポニョ」の構想を練った地としても知られています。

 鞆の浦は、歩いてみてもさほど大きな町ではなく、それでも素晴らしい景観と時折歴史のスポットライトを浴びた痕跡が数多く残る静かな港町でした。

≪続く≫

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by h_with_the_wind | 2010-04-03 23:59 | 毛利氏への旅 | Comments(2)
Commented by 兵庫在住 at 2010-04-07 20:46 x
こんばんは^^

鞆の浦の和歌は、家持ではなく旅人ですよね?

数回鞆の浦に行ってますが、南北朝の鞆合戦は知りませんでした。
勉強してみようかな^^

本当に小さな港町ですよね。
さらっと散策するなら2時間位で廻る事が出来ますし、歴史に興味がある人にはじっくりと巡りたくなる街ですし。

歴史の凝縮された街だと思います^^
Commented by h_with_the_wind at 2010-04-07 22:38
☆兵庫在住さん
ありがとう!
おっしゃる通りです。大伴旅人です。早々に訂正します。

瀬戸内がいかに日本史で重要な役割を果たしていたのか、と言うことを実感しました。
小さな港町なのにお寺の数がとても多いことも驚きのひとつでした。