読み聞かせ

 村上春樹さんの小説「1Q84」の中に、息子が昏睡状態の父親に本を朗読する場面が出てきました。

 長女が幼い頃、毎晩絵本の読み聞かせをしていました。
長女が生まれた頃に出版された「世界おはなし名作全集」の中に収められた「赤ずきんちゃん」「大きなかぶ」「ブレーメンの音楽隊」を始めとして、たくさんのおはなしを読んでやりました。

 次女にももちろん…、と言いたいのですが…。
 次女が生まれて、本の読み聞かせをしてやろうとすると、
「私が読む…」と、お姉ちゃん登場!
 私の出番はなくなってしまいました。でも、妹のために読んでやろうという長女の気持ちが嬉しくて任せることにしました。時々「聞いてるの?」なんて偉そうに確かめながら、たどたどしく読む姿は微笑ましい姉妹のエピソードとして鮮やかに私の脳裏に浮かんできます。
 私が次女に本を読んでやったのは、ハリー・ポッターです。さすがにハリー・ポッターは長女も自分が読むだけで精一杯でしたから私の出番となりました。毎晩少しずつ魔法の世界の話を読んでやりました。

 病床の母を相手に本を朗読したのが、今のところ私の読み聞かせの最後です。
「漢の武帝の天漢二年秋九月……」
 「李稜」です。
 寝ているのか起きているのか、意識があるのかないのか、返事をする元気がないのかそれとも単に面倒臭いだけなのか、判然としない母にできることはないかと探して思いついたのか「読み聞かせ」でした。
 晩年は好きだった読書も叶わず、ただ時をやり過ごしているかに見えた母に少しだけ読んでみようと思い立ったのでした。

 村上春樹さんの小説とは違って、私が数ページ読んだ時、急に眼を開けた母は驚いた表情を浮かべて声の主を探し求めました。
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by h_with_the_wind | 2010-04-18 23:59 | 思い出話


今日はどんな風が吹くのだろう。 日々の思いを書き留める雑文帳。


by 風懐

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