口琴・ンチャム

 先日、飛行機の機内誌で見た写真に惹きつけられました。
 美しい刺繍を施した民族衣装に身を包んだ女性たちが、口元に何かを添えています。女性たちの顔立ちからアイヌ民族がムックリを演奏している写真なのかと思いました。

 写真に添えられたキャプションには、この女性たちがベトナム最北部・中国と国境を接する山岳に暮らす黒モン族で、口元に当てていたのはンチャムという口琴だと書かれていました。

 ンチャムの音色を聞きたくて、ベトナムの山奥まで取材に行かれたルポルタージュ記事(文=松井亜芸子 写真=鈴木真貴)を読みました。
 黒モン族は、標高1500メートルの山岳地帯に暮らす農耕民族だそうです。山岳地帯に広がる美しい棚田は、日本人には馴染みの深い風景です。そこで農作業の合間にンチャムを作る男たちと、衣類やバッグに刺繍を施す女たちの生活を想像しました。

 アイヌ民族の口琴・ムックリが竹製であるのに対して、このンチャムは真鍮で作られているそうです。
 ンチャムの音色を筆者は、『その人の体から湧き出た音色は、山の空気が鳴いているようだった』と、表現されています。どんな旋律が奏でられるのでしょう。

 思いがけず機内誌で出会った民族は、おそらく私が行くことはないであろう集落への想像を駆り立てました。
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by h_with_the_wind | 2010-08-04 23:59 | 社会科