エルミタージュ美術館

 エルミタージュ美術館を見学するのは、3度目です。これまでの2回は共に3月でした。氷で覆われたネヴァ河の上を海から吹きつける寒気が容赦なく遡り、行き交う人もなく、あたりは静寂に包まれていました。

 季節が異なると風景が全く違って見えます。
 今、目の前を流れるネヴァ河は、たっぷりとした水を湛え悠々と横たわっています。時折、風に乗って潮の香りさえします。
 ネヴァ河の対岸に立って初めてエルミタージュ美術館の全容が見えます。

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 チケットには入館時間が記入されています。時間まで並んで待っていますと…。

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 お掃除も欠かしません。

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 えーーー、何でこんなに人がいっぱいいるの?
 夏の観光シーズン故でしょうか。社会体制が変わって訪問客が増えたのでしょうか。
 とはいえ、華麗なる宮殿は大勢の人を呑み込んでもまだ余裕たっぷりです。
 趣向をこらした宮殿の装飾、展示された絵画や彫刻…。
 ダヴィンチ、レンブラント、ミレー、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ…。

 ガイドさんからはぐれないように、写真を撮り落とさないように、部屋から部屋へと歩いて、撮って、歩いて、時々走って…。

 昔の厚いアルバムを開いて見るまでもなく、例えばルノワールの「女優ジャンヌ・サマリーの肖像」は、変わらぬ姿で私を迎えてくれました。
 体制が変わっても変わらずにその壁にあり続けた絵画と、それを守り続けてきた人たちに深い感謝の念を覚えました。
 大いなる遺産は、入場を待つ間に見かけた窓を磨く職員に代表されるような市井の人から人へと受け継がれてきました。


 エルミタージュ美術館を出た後、娘に感想を聞いたところ高校生の次女は、
「教科書で見た絵がいっぱいあってびっくりした!」と、興奮していました。

 絵画や彫刻の写真もたくさん撮りました。でも、しょせん素人の腕です。この旅の観光地も含めてそういった写真は私のブログでは遠慮します。どうぞ教科書やガイドブックで素敵な写真をご覧ください。

^O^/


遊びに来てくださって、ありがとう






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 エルミタージュ美術館の窓から撮影しました。

 ショスターコヴィッチが、交響曲第11番で表現した宮殿前広場はここです。
 1905年、宮殿前広場に一握りのパンを求めて民衆が集まってきました。これに対して当局は軍隊を動員して民衆に発砲します。いわゆる「血の日曜日事件」をきっかけに2月革命の火ぶたが切られました。
 でも、その解説、ガイドさんからは聞かなかったなあ。


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 エカテリーナⅡ世が自身の美術品展示室として建てたことから始まったエルミタージュは、ロシア革命を乗り越えソ連崩壊をもくぐり抜けてきました。
 ロマノフ王朝が革命政府の手に宮殿を明け渡してから間もなく100年です。ロマノフ王朝の紋章「双頭の鷲」は、エルミタージュ美術館の天井から歴史をどんな思いで見つめていたのでしょう。
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by h_with_the_wind | 2011-08-25 23:12 | ロシアの旅 | Comments(0)