シベリア鉄道

 ウラジミール市のラジヂェストヴェンスキー修道院の南側は緩やかな丘につながり、その先は切り立った崖になっているようです。
 丘を登って先頭を歩く添乗員さんから
「シベリア鉄道が見えます!」と、声が掛りました。
 最後尾で写真を撮っていた私は、反射的に走っていました。
『見たい!
 通り過ぎてしまう前に……』

 丘の上に立つと、眼下に太陽の光を反射してきらめく川が目に入りました。
 その手前、木々の緑がいっそう濃い場所に駅舎が見えます。

『ああ、ここにウラジミール駅があった!』

 添乗員さんの言葉通り、今、まさにモスクワからウラジオストクに向かうシベリア鉄道が駅に入ってきました。
 シベリア鉄道『ロシア号』はモスクワからウラジオストクまで約9,000キロ、ユーラシア大陸を横断します。ひとつの国を横断する最長というだけでなく、もちろん世界で一番長い走行距離を誇ります。

 モスクワから初めての停車駅ウラジミールに入構した列車の旅はまだ始まったばかり。極東の港町まで一週間をかけてユーラシア大陸をひた走っていきます。この列車が終着駅に着く頃には、もう私たちは帰国して日常生活に戻っていることでしょう。


 かつて若い両親と共にあの列車に乗ってモスクワを目指した日のことが蘇りました。
 あとひと駅でモスクワに着く。一週間の列車暮らしですっかり馴染んでしまったコンパートメントの中でパッキングを始めたのがウラジミール駅です。乗車中はお風呂に入ることもできず、旅の同行者の顔もどことなく煤けてしまったよう。それでも一様にモスクワまであとひと駅という高揚感に包まれていました。

 一週間、列車に乗り続けるなんて退屈でしょう。
 シベリア鉄道に乗った経験を話すと、人はまずそう問います。
 いいえ、どうしてどうして。ショートストーリーは数知れず、決して退屈なんてしませんでした。

 そういえば……モスクワまでの最終停車駅、ふと誰かに見られているような気がしてコンパートメントの窓から見上げれば、丘の上で何かが光っていました。
 実は、時間を隔てた夫と娘たちと共に丘の上から見下ろしている私自身のカメラのレンズが反射していたのかもしれません……。
 なーんちゃって。お粗末でした m(_ _)m

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あれっ、誰かこっち見てる?(笑)


^O^/


遊びに来てくださって、ありがとう

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by h_with_the_wind | 2011-09-04 22:35 | ロシアの旅 | Comments(4)
Commented by カンナ at 2011-09-04 23:02 x
『さらばシベリア鉄道』が頭の中を周ってます(爆
Commented by h_with_the_wind at 2011-09-05 06:30
☆カンナさん
おやっ、太田裕美さんの歌、ご存知ですか!
Commented by souu at 2011-09-05 11:21 x
大昔、シベリア鉄道に乗る計画をした事がありますが 一人では行けず
一緒に行ってくれる暇人も見つからずで 計画倒れでした。
列車の旅は憧れに他ならなかったのですが 羨ましい!です。
もう この年になると無理ですから。
Commented by h_with_the_wind at 2011-09-05 23:38
☆souu
あらら…。
ここに暇人がいましたのに…!(笑)
今年、数年前に古希を迎えた知り合いが、子供の頃からの夢だというシベリア鉄道の旅をされましたよ。
無理だなんておっしゃらず、いかがですか?