夜行列車「銀河」

 東京と大阪の間を結ぶ夜行急行の愛称を「銀河」といいます。銀河鉄道999を連想する名前のこの急行が、来年の3月に廃止されるそうです。

 学生時代に一度だけこの夜行列車「銀河」に乗ったことがあります。
 北海道の大学に行っていた私のところへ大阪から遊びに来た友達が、北海道周遊券を私の分も一緒に買ってきてくれました(大阪から周遊地である北海道までの片道分を使用しなくても十分元がとれましたので…)。
 私たちは、周遊券を利用して北海道内を旅行した後、函館から青函連絡船で本州に渡ると太平洋側を選んで帰阪しました。まず、青森から東京まで夜行で出ました。朝、上野駅で途中下車をして一日中遊び、大阪の実家へ帰省する手段として銀河の自由席に乗ることにしました。

 当時でさえ、新幹線や飛行機が主流でしたから、東京と大阪の間を夜行で行くというのは酔狂なことでした。
 東京駅のホームで銀河を見た時には、ちょっと心がときめきました。

 さて、乗り込もうという時になって小学生くらいの子供を連れたお母さんが、夜行列車銀河を指差して
 「これ、大阪行きの寝台列車ですよね」と、尋ねられました。
 「いえ、寝台車ではありませんよ」と、張り切って答えると、女性はお辞儀を残して子供の手を引きながら少し困惑した表情で離れて行かれました。
 ごめんなさい。知らなかったものですから。寝台車両が繋がっていることを。いえ、寝台車がメインだということを。

 長い旅行の最後に、自分が自由席の直角ボックスシートに乗って帰るという、そのことしか頭にありませんでした。
 やがて、銀河の自由席にわずかな乗客を乗せて、白々としたホームを離れました。銀河は、レールのポイントでガタゴト揺れながらゆっくりと走り出しました。窓の外を流れる東京のネオンがきれいに輝いて去っていきます。スピードが上がって揺れが安定した頃、車内放送で車両の案内が始まりました。
 そして、初めて私は「銀河」が寝台車だということを知りました。

 あの時の女性がまさか予定の電車に乗らなかった、ということはないと思うのですが…。
 「銀河」の名前を聞くと今も心がちくりとします。
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by h_with_the_wind | 2007-12-28 23:59 | 思い出話 | Comments(0)