ふきのとう

 初めて自生するふきのとうを見たのは、大学に入って間もなくでした。
 登校途中、道端にこんもりした植物を見つけて、一緒に歩いていた寮の友人に教えてもらいました。
 北海道出身の新しい友は、
「ふきのとう…」と、別に珍しくもないといった風に教えてくれました。

 あれがふきのとうか…。
 それまで六菓亭の包装紙でしか見たことがなかった私は、いたく感動しました。きっと今なら写メールを撮っていたことでしょう。

 後日、母との電話で少し興奮して私は初めてふきのとうを見たことを報告しました。
 電話越しに一瞬、母が絶句したのが伝わりました。そんなことも知らなかったの?と言いたかったのかもしれません。
 田舎育ちの母には当然の知識で、まさか娘が大学生になるまで見たこともなかったとは思いもしなかったのでしょう。

 高校を卒業するまでハイキングを除いて、舗装していない道を通ることはありませんでした。舗装していない道は、すぐにパンプスのヒールを傷つけるし、雨がふればぬかるみます。歩きにくくて疲れます。でも、この経験を経てから嫌いではなくなりました。

 「春だねえ…」と、一緒に歩いていた友達が短く言いました。
 春なんだ。入学式には、まだ道のあちこちに残っていた雪の山が、いつの間にか消えています。ふきのとうが顔を出すと、春が来るのだとこの時に実感しました。

 さて、私の娘も私にとっての常識をどこまで共有できているのか、興味のあるところです。
[PR]
by h_with_the_wind | 2008-03-17 23:59 | 思い出話


今日はどんな風が吹くのだろう。 日々の思いを書き留める雑文帳。


by 風懐

画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

ブログパーツ

カテゴリ

本の話
家族
家庭科(含子育て)
社会科
理科
国語
芸術
課外活動
思い出話
季節の中で
わたし
和菓子職人への道
明日を信じて
毛利氏への旅
ロシアの旅
熊本2011秋
流氷を見に
東京2015
鎌倉2015
北海道2015
静岡2016
広島2016
函館・青森2016
十津川・熊野2017
東京2017
北京2017

検索

以前の記事

2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
more...

ブログジャンル

つぶやき
近畿

画像一覧