今日はどんな風が吹くのだろう。 日々の思いを書き留める雑文帳。

by 風懐

伝言ゲーム?

 DVDシルクロードの第4集「幻の黒水城(カラホト)」を見ました。
 日中共同取材班は、西夏王朝の遺跡カラホトへ入りました。砂漠の彼方に突如現れたカラホト遺跡の城内には、陶器のかけら、絹織物の断片、布製の靴が残されていました。風だけが通り過ぎていく砂漠の上に生活の断片をむき出しにしたまま幾百の春秋を越したことでしょう。

 ところで、ナレーションでカラホトの「カラ」はモンゴル語で黒く恐ろしい所を、「ホト」は城を意味すると言っていました。
 すぐに思い浮かんだのは、ドストエフスキーの小説「カラマーゾフの兄弟」です。カラマーゾフの「カラ」もまた黒を意味すると聞いたことがあります。

 厳密には諸説あるようですが、何人もの論者によってカラマーゾフの「カラ」は黒を意味するチュルク・タタール語からきたという説が指摘され主流になっているようです(謎とき『カラマーゾフの兄弟』江川卓著 新潮社より要約)。

 タタール(韃靼)はユーラシア大陸のモンゴル高原から東ヨーロッパにかけて活躍した騎馬民族です。
 ということは、騎馬民族タタールの言葉が、ひとつは西夏の城の名前になり、ひとつはロシアの文豪の主人公の名前に引用されたことになります。

 何の根拠もないけれど、ユーラシア大陸を席巻した騎馬民族の言葉が日本に伝わっていると面白いなあ、と想像しました。
 「カラ」が「クラ」になり、「クラ」が海を渡って…「クロ」。黒!

 蛇足ながら、ロシア語でスケトウダラのことを「ミンタイ」と発音します。朝鮮語では何と読むのかわからないけれど、「明太」と書くそうです。
 もうお判りですよね。日本では、スケトウダラの卵巣から「辛子明太子」が作られます。
 旧ソ連に旅行した時に通訳さんに教えてもらったこと、何だか伝言ゲームのようで面白いなと思いました。
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by h_with_the_wind | 2008-05-28 23:59 | 社会科 | Comments(4)
Commented by 風屋 at 2008-05-31 12:00 x
日本語学者の大野晋さんは「日本語のタミル語起源説」を唱えました。
原日本人の起源は南方からの漂流民という説は柳田国男ですが、
大野説もそれに準じたものでしょう。
一方、考古学者の江上波夫さんの「騎馬民族渡来説」も有名。
南方からの先住民族を騎馬民族が征服したというものです。
(それが天孫降臨として伝説となったとの説)
そう考えるとその騎馬民族がタタールの人々だった
あるいはタタール語をピジンまたはクレオールとして使っていた
というのは充分に考えられることです。
柳田説の「海上の道」、そして法隆寺宝物殿の渡来品に象徴されるシルクロード。
確たる証拠もない仮説ですが、文化の悠久の流れを感じますよね。

こういう話はゾクゾクします(笑)
Commented by h_with_the_wind at 2008-06-01 06:41
☆風屋さん
日本列島は、吹き溜まり。
ユーラシア大陸から海を渡ってきた民族と南洋から海流に乗ってきた人たちが辿り着いたのが、日本列島だった。どちらもそれより先には行けなかったのでしょうね。
史記の中には、大陸での戦に敗れた民族が東の海に消えた、と書いてあったように記憶します。消えたといわれる民族が海を越えて日本にたどり着かなかった、と誰が言えるでしょう。
日本が古代の多民族国家であったなら、現代社会と比べると、融合してひとつの国を作ったのは奇跡ですね。
私もこういうことを考えだすと想像がふくらみます♪
Commented by lazytown at 2008-06-02 16:07
これって、、すごいですね。。わたしも、このあいだ、父と、おなじようなことを、はなしていたのですが、、(風屋さんのいっていること)風懐サンの、この、言語の、由来って、、おもしろいですね。。
でも、だから、日本人と、モンゴル人って、にてるのかもしれないですね
、顔が、、なんだかこういうのって、とっても、たのしいです。わたしも、いつか、シルクロードにいきたくなりました。
あ、そういえば、モンゴル語をまなぶのってまなびやすいって、きいたことが、、いや、、日本語を再確認するのに、ぜひ学んだほうがいいっていったのは、、だれでしたっけ??司馬遼太郎さんでしたっけ??
Commented by h_with_the_wind at 2008-06-02 23:12
☆のんちゃん
風屋さんは、いろんなことよくご存知でしょう。勉強になります。

日本語とモンゴル語は、文法上の語順が一緒だったのではなかったかしら?
>モンゴル語をまなぶのってまなびやすい
私は、残念ながらどなたの言葉か知りませんが、司馬遼太郎さんは大阪外大(現阪大外国語学部)の蒙古語学科のご卒業だからそうかもしれませんね。

いつの日か、のんちゃんがローマから、私が日本から出発してシルクロードの中間点で待ち合わせ、な〜んてできると面白いですね。