映画「東京オリンピック」

 市川崑監督の映画「東京オリンピック」を見ました。
 当時、この映画をめぐって、オリンピック担当大臣が「記録性に欠ける」と批判したことから「記録か芸術か」という論争が起きたそうです。

 真剣に見るつもりではなかったのですが、ついつい引き込まれてしまいました。東京オリンピックから44年を経てこの映画を観た私にとって、充分に記録であり芸術でもありました。

 ユニホームやシューズに頼らず、人間の本来の身体能力を競い合う東京オリンピックは、見方によっては「野暮ったく」「鈍臭く」時には、どうしてあの体型でオリンピックに出場できたのだろう、と思うくらいにフツーのおじさんやおばさんが登場します。

 流れるような体操選手の美しさ。砲丸投げや重量挙げの重厚さ。
 ひとつひとつの競技が、時には画像のアップで時には音を入れることでまたスローモーションで迫力いっぱいに映し出されます。
 女子バレーの決勝戦では、日本の勝利しか画面で見たことがありませんでしたが、ソ連選手の意気消沈した表情が印象で気でした。勝者のみならず敗者にもスポットをあてた画面は、意外でした。

 当時の日本には、スポーツにも武士道の精神が流れていたようで、勝っても相手への配慮から必要以上のパフォーマンスをしません。アメリカ人の陽気さ、まだ建国されたばかりの国から選手としてひとりでやってきた青年。
 素朴に人間の匂いが漂う映画に魅了されていました。
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by h_with_the_wind | 2008-07-21 23:59 | 芸術 | Comments(0)