迷子

 私は道を尋ねられることが多いようです。
 それが旅先であっても、外国から来られた方でもとにかく道に迷った人は私を目指しているのではないかと思うくらいに、寄ってこられます。
 今日も外国からの旅行者に電車の乗り方を聞かれました。

 私自身は勘がいいのか道に迷うこと自体が少ないのですが、唯一、道を尋ねた思い出があります。
 新婚旅行で行った北京でのことです。景山公園から夕日を浴びた故宮を見て、さて、繁華街に出ようとした時に道に迷ってしまいました。夕日が落ちる前に景山公園の高台に登りたくて周囲の状況を充分に把握しないまま突き進んでしまいました。夫と地図を見て検討しましたが、簡略な地図ではよくわかりません。だんだん辺りが暗くなってくるのも不安材料です。

 意を決して、私は勤め帰りらしい女性に近付いて行って道を尋ねました。
 親切に教えてもらって、お礼を言い、夫の元に帰っていくと、夫は唖然とした顔でこちらを眺めていました。
 中国語の「こんにちは」と「ありがとう」しか知らない私がいきなり女の人に近付いて行くのを見て、「ご乱心」かと思ったそうです。
 行き先は繁華街の王府街と決めていましたから、女性に極力の笑顔で近づいて「ワンフーチン」と、繰り返して教えてもらうことができました。
 もしも東京で「東京タワー、東京タワー」って言う外人さんがいたら、東京タワーに行きたいのだな、ってわかりますよね。

 今日、外人さんに道を尋ねられて、あの時の私は無茶をしたのかな、と懐かしく思い出しました。
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by h_with_the_wind | 2008-08-21 23:59 | 思い出話 | Comments(0)