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兵馬俑展3

 「始皇帝と彩色兵馬俑展」のサブタイトルに、「司馬遷『史記』の世界」とあります。兵馬俑以外にもたくさんの遺物を見ることができました。

 会場へ入ると、最初に史記が書かれた竹簡のレプリカが展示されていました。一行27cmといいますから案外小さな物ですね。ぎっしりと漢字が書かれています。紀元前100年頃、竹簡に書かれた歴史書が脈々と受け継がれ、翻訳されて、今私たちも読むことができるのです。

 金製品には、目を奪われました。純金製の帯鈎(帯留め)、金虎符(軍令などを発する際の使者の証)、玉環金鋪首(金製の獣面と玉製の円環でできた鋪首: 鋪首は扉のノブのことで魔除けの役割をしました。和箪笥の引き出しについている取手にその名残を見ることが出来るのだと思います)。トルコ石をはめ込んだ金の柄をもつ鉄剣などなど。
 金やトルコ石は輝きを失っていません。

 私が思わず声を上げたのは、銀臥鹿です。スキタイの影響を受けたものだと、素人の私にも一目でわかりました。
 スキタイは、ウクライナ地方を中心に紀元前8世紀から3世紀に活躍した最初の遊牧民族国家です。その彼らの遺物のシンボルが「鹿」で、私もロシアのエルミタージュ博物館で見ました。
 スキタイは、紀元前5世紀から5世紀までユーラシア大陸の北東部シベリアまでをその行動範囲とした匈奴と交易があったのでしよう。匈奴は、常に南方の諸国を脅かし、それが為に秦の始皇帝は万里の長城築城に至ったのです。

 古代の様々な文化交流の痕跡を見ているうちに、エルミタージュ博物館に来ているのか、正倉院展に来ているのかわからないような興奮の渦に巻き込まれていきました。

 明日もまだまだ続きます。
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by h_with_the_wind | 2006-11-30 23:59 | 社会科 | Comments(0)

兵馬俑展2

 目前に、秦の始皇帝のために作られた等身大の俑があります。想像以上に写実的で繊細です。遠くを見るような瞳には何が写っていたのでしょう。

 将軍、御手、兵士、文官、楽士、力士と様々な身分、職業の人たちがいます。朝鮮系、モンゴル系、中国系。顔立ちの違いから民族が読み取れます。身長や体格も違います。
 ひとつの俑にひとりのモデルがいたのではないか、という説まであるそうですが、素直に頷けます。
 俑は、人だけではありません。牛、豚、犬といった家畜や鳥類もいます。

 古代中国では、秦は中原の諸侯から野蛮な新出国とみなされていましたが、名君穆公の登場でようやく天下に認められるようになりました。穆公が亡くなると177名もの賢臣名臣が殉死しました。国の舵をとる人材を一度に失ったことで、秦の国力は衰えてしまいます。この後、国力の衰退を防ぐため殉死禁止令が出ましたが、王が亡くなるたびに殉死者が後をたちません。こうした殉死者を出さない為に俑を作り埋葬するようになりました。

 「始皇帝と彩色兵馬俑展」では、秦の始皇帝陵墓から出土した兵馬俑と一緒に、漢の高祖劉邦が葬られた長陵から出土した漢兵馬俑が展示されていました。こちらの俑は、高さ50cmほどで始皇帝の兵馬俑の3分の1ほどの大きさです。比較すると、顔立ちや形状は随分簡略化されていますが、彩色の痕跡がより強く残っています。

 秦の時代の風習が漢に受け継がれ、やがて何百年も後の日本の古墳時代に埴輪として登場します。
 今、時代も地域も離れた遺物の両方を目にすることのできる不思議に嬉しくなってしまいました。

 明日もまた続けます。
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by h_with_the_wind | 2006-11-29 23:59 | 社会科 | Comments(0)

兵馬俑展

 9月20日の日記に兵馬俑のことを書きました。
中国西安の兵馬俑博物館でドイツの留学生がパフォーマンスと称して自ら兵馬俑に成り済まし逮捕された事件についてです。

 その記事を読んで間もなく京都に兵馬俑がやってくると知りました。
 見たい、でも行けない…向こうからやってきてくれました。
 そして、今日、ようやく対面することができました。京都府京都文化博物館の「始皇帝と彩色兵馬俑展」です。

 圧倒されました。
 私は、パソコンに頼っている毎日です。キーワードひとつで調べ物の大方が解決します。そんな時代に生きている私の前に、顔も衣装もポーズも違う等身大の俑が並んでいます。コピー&ペーストで出来るものではありません。実際には、何千体も並んでいます。

 気持ちが高ぶっています。いっぱい書きたいのだけど、うまくまとまりません。また明日。
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by h_with_the_wind | 2006-11-28 23:59 | 社会科 | Comments(2)

マッサージ

 肩凝りがひどくなったので整骨院に行ってみました。
 パソコンのマウスの動きが悪いのに、無理をしたことから始まったようです。

 マッサージをしていただきました。ただひたすら気持ち良くて寝てしまいそうでした。
 
 夜になって、「揉みおこし」というのだそうですが、時々、肩に重い荷物を置かれたように感じます。ただ、不思議なくらいにぽかぽかします。血行が良くなった証拠ですね。
 長年、冷え性でこの季節にはもう指先は冷たいものだ、と思い込んでいました。なのに、ちっとも冷たくなりません。むくんでいるのかも、と感じるのですが、見た目ではそうでもなさそうです。それに足の指先には冷えを感じますから、これもマッサージの効果だと思います。

 一度で完治するほど軽いものではなかったようです。しばらく通うことになりました。
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by h_with_the_wind | 2006-11-28 21:50 | わたし | Comments(4)

バランバラン

 日曜日ですが、家族それぞれに予定があります。

 次女は模擬テストです。今回は、我が家から不便なところが会場校になっているので、私は早朝からアッシー君です。
 帰宅後、バトンタッチで夫が出勤します。
 お昼前まで熟睡していた長女と朝ご飯ともお昼ご飯ともつかない食事をします。
 早々に帰宅した夫と3人で、友達とランチを済ませた次女を迎えに行きます。
 長女と次女にそれぞれセーターを買いました。
 帰宅した後、長女が出掛けます。
 それでも家族で夕飯の食卓を囲むことができました。

 なんともとりとめのないバランバランの一日でした。
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by h_with_the_wind | 2006-11-26 23:59 | 家族 | Comments(2)

ドナウよ、静かに流れよ

 さて、「ドナウよ、静かに流れよ」ですが…

 33歳の指揮者と19歳の女子留学生がドナウ河に身を投げて心中した、という新聞のベタ記事を目にし、その真相を取材した大崎善生さんのノンフィクションです。
 著者が最初に心にひっかかった記事だけを読むと、確かに違和感を覚えます。
何が彼らを心中へと駆り立てたのか、その背景を知りたいと思うのも判るように思います。
著者は、周辺の人に取材を重ね、実際に心中の現場へと足を運びます。そこから見えてきた19歳の少女の姿は、本人がすでにこの世にいない以上、著者の「こうであろう」という想像の域をでることは不可能なはずですが、目前にひとりの少女が現れてくるほどにリアルです。

 死ぬほど追いつめられる、とはどういうことなのでしょう。死ねば楽になれるのでしょうか。
 いじめを苦にした自殺が連鎖反応のように報じられています。 ニュースを目にした私たちは、何とも言えない不安に駆られ、その原因を知りたいと思います。
 だけど、ひとりひとりが「死」を選ぶ背景は、実はまちまちです。ひとりの人間の「生」「生い立ち」「環境」からその傾向を探り、まとめてしまうことには、抵抗があります。
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by h_with_the_wind | 2006-11-25 23:59 | 本の話 | Comments(4)

崖っぷち犬

 崩落防止用擁壁のコンクリート枠で6日間にわたって立ち往生していた野犬のことを「崖っぷち犬」と、呼ぶそうです。
 22日、大勢の人が見守る中、レスキュー隊員によって無事に救出されました。前日からトライしていたそうです。救出のために多くの人と、大掛かりな転落防止網を張っての救出劇でした。

 目の前で立ち往生している犬がいて、悲しげに鳴く声を耳にしたら、何としてでも助けてやりたい、と思うのは人情です。衰弱はしているものの命に別状はないと聞いて私もほっとしました。

 「崖っぷち犬」を引き取りたいという申し出が全国から寄せられているそうです。日本には、心優しい人がたくさんいます。
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by h_with_the_wind | 2006-11-24 23:59 | 社会科 | Comments(0)

勤労感謝の日

 祭日ですが夫は出張です。お仕事、ご苦労様です。

 勤労感謝の日は、戦前、新嘗祭と呼ばれる日でした。新嘗祭は、天皇が五穀の新穀を天神地祇に勧め、また自らもこれを食して収穫を感謝する祭儀(Wikipediaより)です。日本人が農耕民族だったことの証です。

 敗戦で、天皇が人間宣言をされたことに伴い価値観が変わりました。天皇制を意識した祭日の呼び名も変化しました。
 お年寄りが、建国記念日を「紀元節」と呼ばれるのを耳にしたことがあります。この日は、神武天皇の即位の日です。といっても明治になって制定されたということですから、そろそろ「建国記念日」の歴史の方が長くなることでしょう。

 「勤労感謝の日」という表現は、アメリカのLabor Dayを直輸入したのでしょう。内容は、Thanksgiving Dayの方が近いのですが、宗教色を排除したかったのでしょうか。

 現代も宮中では祭儀が執り行われています。
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by h_with_the_wind | 2006-11-23 23:59 | 季節の中で | Comments(0)

父親たちの星条旗

 映画「父親たちの星条旗」を見ました。
 戦争映画を見たいとは思わなかったのですが、硫黄島を巡る日本とアメリカの戦いを双方から描く2部作と知って、興味が湧きました。
 1部である「父親たちの星条旗」は、アメリカ側から描いています。

 この映画で、硫黄島が日本本土への空爆を可能にさせてしまう日本にとっての生命線だった、と知りました。

 当時、アメリカ国内では、長引く戦争で徴兵や不況から嫌戦ムードが流れていたそうですが、イラクから引きあげることのできない現在のアメリカのジレンマと共通しているように思えてなりません。
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by h_with_the_wind | 2006-11-22 23:59 | 芸術 | Comments(0)

初恋

 トゥルゲーネフの「初恋」を読みました。

 初めて読んだのが、中学1年の夏休み。
 タイトルから勝手に作り上げたイメージとストーリーの乖離に戸惑いました。何だかもやもやしてよくわからなかったのですね。小説の背景や比喩、行間が読めなかったのは、私がまだ子供だったということでしょう。

 新訳が出たので再び手に取ってみました。読んでみると、短い小説だからでしょうか、結構覚えているものです。面白かったです。
 今回、私が読み直したのは、沼野恭子さんの翻訳です。これまでの翻訳に比べると、より今の時代に受け入れられやすい文体ではないかと思います。
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by h_with_the_wind | 2006-11-21 23:59 | 本の話 | Comments(0)