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蟹工船

 夏に入る前でしたか、小林多喜二の「蟹工船」が静かに売れているらしい、というニュースを聞いたのは。
 そして、今日また「蟹工船」に共鳴した人たちが共産党に新規入党していてその数が1万人になるとのYahoo!のニュースを読みました。

 「蟹工船」は中学生の時に読みました。いえ、正確には学校からの課題図書として読まされました。もしかしたら教科書に載っていたのかもしれません。記憶が定かではありません。
 プロレタリア小説と言われても、高度成長期の真っただ中で育った私には、暗くて過酷な内容が非現実的で戦争と同じくらいに近寄りたくない世界にうつりました。

 「時が滲む朝」を読みたくて買った文藝春秋9月号の『本屋探訪』に「蟹工船」ブームの火付け役となった上野駅の書店で働く文庫担当の女性の記事が載っていました。
 昨年の夏の話題がドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」であったように、この夏の一番の話題書は「蟹工船」だなんて平成も不思議な時代です。
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by h_with_the_wind | 2008-08-31 23:59 | 本の話 | Comments(2)

夏の終わり

 もう夏の締めくくりとして日本テレビの「24時間テレビ」は、すっかり定着しました。
 珍しく次女とふたりで24時間テレビを見ていたら、ドラマ「みゅうの足パパにあげる」が始まりました。
 「これを見ていたら寝るのが遅くなるよね…」と、言いながら、次女も立ち上がるきっかけを失ってしまいました。

 私の身近にも難病と診断されて闘病生活を強いられている人がいます。障害を背負っている人がいます。
 私にできることはといえば、介護している人の後ろに立って小さなお手伝いをすることくらいです。そして今、自分が健康に暮らしていられることに感謝しながらテレビを見ていました。
 一日、バスケットボールを追いかけていた次女も黙ってとうとう最後まで見ていました。

 ドラマが終わった次女は何を言うのかと思ったら、
 「うち、起きてたらお腹がすいたわ…」ですって。
 彼女なりの思いが言葉にできなくて、照れ隠し?でしょうか…。
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by h_with_the_wind | 2008-08-30 23:59 | 家族 | Comments(2)

時が滲む朝

 芥川賞受賞作品「時が滲む朝」(楊逸・ヤンイー著 文藝春秋9月号)を読みました。ハードカバーでなく雑誌で読もうと思ったのは、受賞者インタビューと芥川賞の選評が掲載されているからです。

 1988年、中国の大学統一試験から物語は始まります。とてもリアルな描写が続きます。例えば、主人公が大学に合格して意気揚々としている様子は、まるで幼い頃から知っている青年の姿を見ているようで、微笑ましく迫ってきます。

 選評に「女の子の瞳に<泉にたゆたう大粒の葡萄>などという大時代的な比喩を使われては困る」とありましたが、私は、かつて読んだヘルマン・ヘッセやマーガレット・ミッチェルの翻訳書に登場する比喩を思い起こして、一種懐かしさにも似た感情を抱き、同時にその女の子の瞳を想像してしまいました。

 生き生きとした描写で始まった小説ですが、次第に筆力が鈍っていくように感じたのは残念でした。(何らかの政治的な自己規制が働いて)書くことができないのか、著者の力量なのか、私にはわかりません。物語が進むに連れて光を失ってしまって(思い切っていうなら)退屈になってしまいました。
 あらすじを読んでいるような気分になってしまったのですが、もしかしたら中編小説にするには無理があったのかもしれません。人物像がもうひとつはっきりと立ち上がってこなかったこと、時間の省略によって必然性が感じられなくなってしまったことを思うと長編小説に向いたテーマだったのかと思います。

 なんて偉そうな批判をしましたが、日本語以外の言語を母語とする人の初めての芥川賞受賞には感服しました。
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by h_with_the_wind | 2008-08-29 23:59 | 本の話 | Comments(2)

あの人たちは今…

 北京オリンピックが終わりました。
 昼間はまだ威勢のいい蝉の声に包まれていますが、次第に早くなった日没とともにたどたどしい秋の虫の声が聞こえ始めました。夏の終わりにふと寂しさを感じます。

 地元の開催ということで、中国はオリンピック選手の育成に随分力をいれてきたそうで、その甲斐あって合計100個のメダルを獲得しました。

 かつてソ連という国があった時、彼の国の政治体制から働く人は皆国家公務員でした。もちろんオリンピック選手も国家公務員として働いていたはずです。
 ただオリンピックのメダリストは国家の英雄で、優遇された年金で生涯を保証されていました。だから選手も迷うことなく競技に全力をつくすことができたといいます。

 彼らは、今、どうしているのでしょう。
 国が崩壊して新しい価値観に変わったことで、約束された将来は消えてしまったのでしようか。
 北京オリンピックの開会式の日にロシアとグルジアは戦火を交えました。このふたつの国は20年前にはひとつでした。グルジア出身のソ連の選手って、今、どうしているのでしょう。

 いえいえ、人の心配も必要かもしれないけれど、私たちの明日だってどこへ向かっているのかわかりません。
 お祭りの後は、気分が少しだけ沈んでしまいます。
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by h_with_the_wind | 2008-08-28 23:59 | Comments(6)

容疑者Xの献身

 現在、ベストセラー第一位「容疑者Xの献身」(東野圭吾著 文春文庫)を読みました。

 ガリレオ先生が活躍するシリーズの長編小説です。それにしても少し変わったタイトルだなあ、と思っていました。
 まず文庫本の最後のページでいつ書かれたものかを確認しましたが、初出の「オール讀物」で連載されていた時にはタイトルが「容疑者X」だったと書かれています。
 そうです。私は「容疑者X」と「献身」のふたつの単語の間に不協和音のようなものを感じていました。不協和音を感じるのは私だけなのかな、小さなことにこだわり過ぎるのかな、と思って読み始めました。
 ところが、読み進むに連れてタイトルにある「献身」の文字がどんどん動き始めました。ラストではこの単語のために書いたのではないかというくらいに活きてきました。

 人は何のために生きるのかーー。
 何のために生きられるのかーー。
 そんなことを考えながら読んでいました。

 推理小説のネタバレくらいつまらないものはありません。これ以上は書かないことにします。
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by h_with_the_wind | 2008-08-27 23:59 | 本の話 | Comments(2)

ヘアカット

 週末に長女が髪を切りました。
 中学に入学して以来セミロングで通してきましたが、私に予告して出掛けた通りにばっさりと切ってきたのには少々驚きました。
 切ってもらう時になって、惜しくなるのではないかと思っていたのですが、相変わらず思い切りのいいことをしてくれます。

 あまりの思い切りの良さに美容院では小学生の時からお世話になっている美容師さんから
「失恋?」と、聞かれたそうです。

 あっ、ラーメンを食べるのが楽だ!
 シャンプーの量が少しで済む
 髪の乾くのが早い

 週末からいちいち声に出して報告してくれます。

 朝は、美容院で習ってきた「くしゅくしゅっとした髪」にして出掛けて行きます。ちょっと前のキムタクに似た髪型です。

 夫は長女の髪型について何もいいません……。娘に対してセクハラはないでしょうから、もしかして髪を切ったことに気付いていない???
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by h_with_the_wind | 2008-08-26 23:59 | 家族 | Comments(2)

新学期

 次女の学校が始まりました。
 私にとっても早起きが始まります。

 まだ8月だというのに、早朝の空気は思った以上に涼やかでした。
 新学期初日は、私も緊張しているのか、すっきりと起きることができました。
 我が家のお弁当の定番、卵焼きを焼くのも何だか久しぶりで、我ながらぎこちないなとひとり笑ってしまいました。ちゃんと起きたつもりでもただ寝ぼけていただけなのかもしれません。

 2学期は長丁場。プール授業で始まって文化祭、そしてクリスマスまで。
 さあ、私も頑張らなくっちゃ!
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by h_with_the_wind | 2008-08-25 23:59 | 季節の中で | Comments(0)

長女の夏休み

 受験生の長女にとって数少ない夏休みの楽しみは、幼馴染みとの再会でした。随分前から約束をしていて、朝からふたりで出掛けました。

 ふたりは幼稚園で初めて出会っています。もちろん、幼稚園児にとってその時一緒にいる子は皆「おともだち」ですから、お互いに相手を意識することはなかったようです。
 その後、同じ小学校に入学して再会しました。6年間で同じクラスになったのは2回だけですが、ウマが合うというのか似た者同士なのか、長女の口からいつも名前が登場しました。
 別々の中学・高校に進学しても常に連絡を取り合って、何かというと一緒に遊びに出掛けていました。きっとメールのやりとりもしているのでしょうが、『文通』もしているようで時折、彼女から可愛い封筒が届きます。

 これからも一緒に旅行をしたり、『恋話』をしたりして付き合っていくのかなあ、と微笑ましく見守っています。

 親友と一日を過ごして晴れやかな表情で帰宅した長女は、映画を観てきたといいます。
 『崖の上のポニョ』を……。
 ♪ポニョ、ポニョ、ポニョ、さかなのこお〜
 幼馴染みとの再会はお互いを無防備にさせたのか。すっかり幼児返りしたようです。
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by h_with_the_wind | 2008-08-24 23:59 | 家族 | Comments(0)

鳥取砂丘

 「明日は寝坊するよ〜!」
 宣言をして寝たのに、予定よりも早く目が覚めました。
 せっかく今日は「起こさなければならない家族」がいないというのに……。
 それに今にも雨が降りそうなお天気です。
 いつまでも誰も起きてきません。


☆……☆……☆……☆……☆


先日、次女と旅行に行った夫が送ってくれた鳥取砂丘の写真を見て
気持ちだけでも晴れますように!!



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by h_with_the_wind | 2008-08-23 23:59 | わたし | Comments(2)

突き出し

 久しぶりに夕飯を食べに行きました。なかなか家族の予定が揃わないので、外で食べる機会がありません。

 選んだお店はお酒が飲めるところでしたので、突き出し(関東では確か、お通しというのでしたか…)がつきます。
 お店の人は当然のように長女の前にも置いていかれました。それを見た次女が「私だけない……」と、積極的にお店の人に文句を言おうとするので、それを制して説明をしました。

 そうですね。長女は来年には20歳になります。成人に見られてもおかしくありません。あと一年もしたら、一緒にお酒が飲めるようになります。
 今年、私にとって初めての生ビールを飲みながら改めて長女の顔を眺めてみました。長女の顔は、どう見ても幼い日のままでした。
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by h_with_the_wind | 2008-08-22 23:59 | 家族 | Comments(0)


今日はどんな風が吹くのだろう。 日々の思いを書き留める雑文帳。


by 風懐

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