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タペストリーホワイト

 大崎善生さんの「タペストリーホワイト」(文春文庫)を一気に読みました。

 主人公の洋子は、4歳離れた高校生の姉の部屋で偶然ヘルメットを見つけます。
 「高校生がバイクに乗って…」と、反応した私はすぐに自分の間違いに気付いてひとり苦笑しました。この小説の時代設定は70年代の初め、当時ヘルメットといえば学生運動のシンボルでした。


 ポスト全共闘世代の私は主人公の洋子に近く、でも、身近に学生運動に参加するとかその被害に遭った知り合いがいたわけでもないので、時代の波を遠くに聞きながら成長しました。
 それでいて私達の行く手には必ず彼らの影が見え隠れしました。

 私たちの世代がしらけ世代と呼ばれたり三無主義と揶揄されるに到った経緯、私たちから見た主人公洋子の姉たちの世代の一握りの学生こそ特権階級で誰かを啓蒙しようというのは特権階級の思い上がりではなかったのか、という漠然とした思いを作者は見事に代弁してくれました。

 壮絶なる喪失と再生の物語は、我が身の平凡で退屈な日常生活がいかに尊いものかということを認識させてくれました。
 小説を読み終えて、実際にどこかにいるかもしれない「洋子さん」、形を変えた喪失に打ちのめされている「洋子さん」に再び平凡な日々の営みがやってくることを自然と願っていました。
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by h_with_the_wind | 2010-04-30 23:59 | 本の話

もちつき屋

 昭和の香りがするこんなお店で、


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 ランチをいただきました。

 京都は錦市場にある『もちつき屋』さんの錦市場弁当です。 一日20食限定に魅かれました。錦市場のお惣菜がいただけるのも魅力です。

 写真を撮ったのですが、上手く撮れませんでした (. .)
 見てみたいという方は、コチラへどうぞ!
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by h_with_the_wind | 2010-04-29 23:59 | 課外活動

隣の人は…

 気のせいか最近また昔のように電車の中で本を読む人を見かけるようになりました。一時期は、読書する人がいなくなったなあ、と思っていたのですが、私の乗る時間帯が変わったためでしょうか。

 私の隣に乗り合わせたスーツ姿の男性は、座るとすぐに鞄から一冊の分厚い本を取り出しました。
 「あっ、あれだ!」
 男性は、丸善のカバーがかかったその本のしおりの個所を広げて、すぐに本の世界に入っていかれました。

 「ほらね」
 そおっと目を動かして広げられた本の文字を覗いてみると、『青豆』の文字が浮かんできました。
 親近感♪

 「私、もう読みましたよ」
  えっ、という困惑した顔。
「とまらなくなっちゃって。
 今、どのあたりを読まれているのですか、真中くらいですよね。もう天吾はお父さんの病院に行ったのかしら?
 でも、あれですよね。この小説を読んでいると、現実と隣り合った別の世界があっても不思議には感じませんよね。
 クロニクルは読まれました?ちょっとしたことで人生が思わぬ方向へ行ってしまう、ってことありますよね。過去について『たら』『れば』はなしだとは分かっていても…、あの時ああすればよかった、とかってことありますもん……」

 なあんて、想像です。
 もしも隣に座った人に話しかけていたら、違う世界の扉が開いたかもしれないけれど……。
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by h_with_the_wind | 2010-04-28 23:59 | 課外活動

家庭訪問

 小学生のお子さんがいらっしゃる方のブログに家庭訪問のことが書かれていました。
 家庭訪問…。そうか、あったなあ。
 ほんの数年前まで、新学期の一大イベントでした。

 最初の懇談会で先生は、玄関先でお話しますからお構いなく、とおっしゃいます。

 「だって先生が言うてはったし、玄関で話したらいいやん」と、割り切ったお母さんもいれば、
 「できれば玄関で済ませたいのだけど、やっぱり『どうぞ』と言えば、『そうですか』って上がって来はるよ…」
 「男の先生は半々、女の先生は絶対に上がって来はるね」と、断言するお母さんもいて…。
 「先生に座ってもらう椅子に座ってみて、チェックするわよ~」と準備万端のお母さんもいます。
 そう、家庭訪問の日が近づくと、子供のことそっちのけで話題の中心はお掃除…。

 「ほら、家庭訪問がなければ掃除しないから、ちょうどいいのよ…ははは…」って、言ったのだれだっけ? ホント、その通りかも… ^^;
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by h_with_the_wind | 2010-04-27 23:59 | 季節の中で

上海万博

 上海万博の開催が近づいてきて、現地からの報道が多くなりました。

 プレオープンでは、順路に従わずロープをくぐって近道をしようとする人たちを警備員が必死で止めている姿が映し出されました。レポーターは、まだ出来上がっていないパビリオンがあるけれど、開幕までに仕上がるのだろうかと心配とも揶揄ともとれる言葉で締めくくります。
 上海の街を紹介する映像では、昼間からパジャマ姿で街を歩く人やアパートの窓からせり出して洗濯物を干す日常生活が映し出されます。
 万博開催中、警官はニンニクやニラなどの臭いの強い食品は自粛するそうです。


 40年前のことを思い出します。
 大阪万博前夜だって似たようなものでした。
 突貫工事が続いていました。万博が始まってもまだ工事をしているパビリオンはありました。
 町では、夏になると表の縁台でシャツにステテコ姿のおっちゃんたちが将棋を指していました。ベランダや二階の窓から布団が干してあるのも、普通の光景でした。
 『痰つぼ』って知っていますか?地下街の柱のそばにあったつぼが一掃されたのは、万博がきっかけだと聞いたことがあります。


 大阪の町が整備されて人々の意識が変化したように、上海もまた万博をきっかけに大きく変貌するかもしれません。
 町が変わり、そこへ世界中の人々が集まり、そして地元の人がそれをどうとらえるのか価値観が変わるかどうかは、それぞれであっていいのではないかと思います。それでもパジャマで歩きたければ、それはそれでいいと思うのですが。
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by h_with_the_wind | 2010-04-26 23:59 | 社会科

若葉の季節

4月だということを忘れてしまうほど気温が上がりません。
ゴールデンウィークは目の前だというのに…

ようやく青空が見えました。


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by h_with_the_wind | 2010-04-25 23:59 | 季節の中で

脱力

 次女が高校に入学して半月、一通りの授業を経験してクラブにも入部届けを出しました。順調に新しい生活が始まった様子でひと安心しています。

 私は、次女の学校が始まると共に再開した早起きの生活と少しだけ変化した職場の雰囲気に慣れようと頑張っています。眠い~♪

 そして、久しぶりに読み応えのある長編を読み終えて余韻に浸っています。いえ、余韻に浸るという生易しいものではありません。頭の中では、いろんな思いが堂々巡りしています。

 ちょっと脱力しています。
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by h_with_the_wind | 2010-04-22 23:59 | わたし

読了1Q84

 1Q84 Book3を読み終えました。

 1984年の日本から迷い込んでしまった世界を主人公の青豆は、「1Q84」と名付けます。元の世界に戻ろうとしたところでBOOK2は終わっていました。

 作者は、反ユートピアの世界を描いたオーウェルの小説「1984」を土台に近過去小説として「1Q84」を書いたといいます。

 オーウェルが近未来の舞台に選んだ1984年は、麻原彰晃が後に「オウム真理教」となるヨーガ道場「オウムの会」を始めた年でもあります。
 1984年。あの時代にも困難な問題がありました。先行きへの不安感は、いつの時代にも漂っています。現代人は孤独だといつの時代の人も言います。19世紀のドストエフスキーの小説にも孤独な若者が登場します。不安と孤独に苛まれた時、人は何を求めるのでしょう。
 誰かとの繋がりかもしれません。流行を取り入れることで、他者と一体化した錯覚に陥り安心を手にいれるのかもしれません。

 「自分とは何か」と突き詰めて思考し、将来について葛藤するモラトリアム期を乗り越えてこそ確立されるのが「アイデンティティ(同一性)」です。
 アイデンティティの概念を提唱したエリクソンは、アイデンティティがうまく達成されないと、「自分が何者なのか、何をしたいのかわからない」という同一性拡散の危機に陥ると指摘しています。同一性拡散は、対人不安を端緒に精神病理に落ち込んだり、熱狂的なイデオロギー(宗教や非行)へ傾斜することで表面化するといいます。 (参照Wikipedia)。

 この小説では、「青豆に会おう」という天吾の思いと「天吾に会いたい」という青豆の思いがアイデンティティへと昇華していったのでしょう。それが、『どこまでも孤立しながら、孤独に染まることのない』場所、状態を表現しているように思います。

蛇足かもしれない…
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by h_with_the_wind | 2010-04-21 23:59 | 本の話

読書

 私の本好きは母譲り。というだけでは不充分で、父もまた読書家です。歴史小説やビジネス書をいつも読んでいました。
 だから私には本棚のない家、というのが不思議でした。友達の家に行っても、本は私の通されていない部屋に置いてあるのだ、とずっと長い間信じていました。

 そんな父もリーディンググラスの度が進行するにつれ、また母の具合が悪くなるにつれ、読書から遠ざかるようになっていきました。
 ここ2・3年は、何か本を買って来ようか、と問いかけても
 「もう字を読むのは疲れる…」と、拒むようにさえなっていました。

 ところが、先日父の所へ行くと、枕もとに2冊の本が置いてありました。私の視線に気づいた父は本を手にとって、
「ちょっと読んでみようかな、と思って…」と照れたように言いました。
 石原慎太郎さんの「老いてこそ人生」と山崎豊子さんの「不毛地帯」でした。
 「へえ。すごいね。目は疲れない?」という私に、
「ちょっとずつな…」と言いながら、読んでいる本の話をしてくれました。
 私も自ら本を読む気持ちになった父のことが嬉しくて、いつもより話し込んでしまいました。
 昔、不毛地帯を家族で回し読みしたこと、映画化された時に見に行ったこと。

 戦争がないことが一番!きっぱり言い切った父には、言葉にはできない戦争で失ったもの、消えない記憶があるのだろうと思います。
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by h_with_the_wind | 2010-04-20 23:59 | 家族

クラブ活動

 子供は、親の思ってもみなかった行動をとってびっくりさせてくれます。それが害のあることでなければ、面白くもあるのですが。

 長女が中学に入って、吹奏楽部を選んだ時にも驚きました。
 そしてまた高校に入学したばかりの次女は、剣道部を選びました。「歴女」の延長といってしまえばそれまでですが、何だか面白そうです。

 まだ数回参加しただけですが、すり足が難しいそうで、もう足の親指の付け根あたりの皮がめくれて傷ができています。
 昨夏の終わりにクラブを引退してから食が細くなっていた次女ですが、身体は正直なもので
「お腹すいた~」の声で帰宅するようになりました。

 新しい世界の扉を開けた次女の後ろから私もその中を覗くことができるかもしれない、そう思うと今からわくわくしています。
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by h_with_the_wind | 2010-04-19 23:59 | 家族


今日はどんな風が吹くのだろう。 日々の思いを書き留める雑文帳。


by 風懐

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